前回の続きです。
今回は、八丈島の2つの山の大きな違いについてです。
ただ・・・かなり地質オタク的表現もありますので、ご興味の無い方はスルーなさって構いません・・・。
東山(通称; 三原山 標高・700.9m)は約10万年前から約3700年前まで活動し、複雑なカルデラを
形成したといわれており、最終噴火は有史以前で歴史記録上の噴火は無い【死火山】とされています。
最も標高の高い「三原山」を筆頭に「西白雲山」「東白雲山」「東台子山」「水海山」などの
複数の山の総称です。
島の中央の平坦地から見ると分かりませんが・・・直径1kmものカルデラを囲む先カルデラ先層火山で、
その内側にある後カルデラ成層火山から生る複式火山です。
それゆえに、なんだか平ったい感じのベシャッとした見てくれの悪い山ですが・・・
火山礫凝灰岩・凝灰岩・安山岩が堆積した層から成り、かなり侵食が進んでいるうえに
主に、スダジイ・タブノキ・ツバキなどの照葉樹・オオシマザクラなどの広葉樹の植生も豊かで、
保水能力に長けている豊かな地質なので、断崖絶壁の続く東海岸を除けば、至る所に豊富な湧水が
多く見られます。
島内最大の恒常河川である「大川」の水源も、この「東山」にあり、八丈島における2大集落
「坂下地区」の上水道の主水源となっています。
また、南東部「坂上地区」にも恒常河川「唐滝川」「三原川」などがあり、上水道の水源と
なっています。
そして・・・今回のメインである、7ヶ所の豊富な湯量の素晴らしい温泉も全て、この「東山」南東部に
集中して存在しています。
西山(通称;八丈富士)中腹・ふれあい牧場から見た「東山」
↑↑写真よりさらに高度を上げて見ましたが全景は収められません(汗)
「東山」南西部・樫立集落の恒常河川・唐滝川→さらに上流には・・・
と~~っても綺麗なコバルトブルーの硫黄沼があります(✧∀✧)
この日は超絶綺麗なコバルトブルーの硫黄沼✧ 日によって色が違うとのこと!!
硫黄沼には豊富な水量の小さな滝があります✧ (行き方など詳細は後程ご紹介します^^)
硫黄沼のさらに上流部には大迫力の落差36m・唐滝があります!!✧
(こちらも行き方などの詳細は後程ご紹介しようと思います)
坂上地区・「樫立」の東隣「中之郷」にある裏見ヶ滝
(コチラも、行き方などの詳細は後日ご紹介しようと思います)
裏見ヶ滝への入口付近には「ヘゴシダ」が群生しています^^
「ヘゴシダ」の北限は、なんと八丈島です!!!
「中之郷」のさらに東隣「末吉」集落・洞輪沢地区にある「双子滝」
「末吉」東部・台ヶ原地区にある「尾越の水汲場」
地層の割れ目全体(特に左側下部)から清冽な地下水が湧き出ています✧
「尾越の水汲場」の向かい側の、切り葉シェア全国No.1「フェニックス・ロベレニー」畑
「末吉」集落の山奥(島民の方でも滅多に行かないらしい秘境)に
ひっそりと存在する、珍しい「ポットホール」✧
(コチラも、行き方などの詳細は後日ご紹介しようと思います^^)
今回は、自分の興味のある場所にのみ行って来たのですが・・・
まだまだ、「東山; 通称・三原山」周辺には、以上の目ぼしい水資源の他にも多くの湧水・
小河川などが存在します!!
植生もバラエティに富んでいて、スギなどの針葉樹~スダジイ・ツバキなどの照葉樹~
オオシマザクラなどの広葉樹、ヘゴシダ・ヤシなどの南国系の樹木もあって、まるでジャングルの
ようです!!!
24ヶ所もの散策路と5つの滝を秘めている、眠っていた冒険心をくすぐられる、とっても神秘的な
山です。
このほか、今回の旅の最大のメイン・7ヶ所の魅力的な温泉もあり、全て豊富な湯量を誇る
「源泉掛け流し」なのです♨!!!
これらも追って、ひとつずつご紹介して行きたいと思います。
これに対して、西山(通称;八丈富士)は数千年前から活動を始めた新しい火山で、山頂に
直径約500mの壮大な火口がある【休火山】です。
主に、玄武岩の溶岩から成る玄武岩質で、透水性が良く保水能力に乏しいので、恒常河川は勿論のこと、
湧水もほとんど見られず水利に関しては劣悪です・・・
地表の降水は、ほとんどが伏流してしまい、山麓で湧水となっている所(←メットウ井戸など)も、
ほんの一部にはありますが裾野が直接、海中に落ち込んでいるので・・・
おそらく、海中で無駄に湧水となっている所が多々あると思われます。
ましてや温泉などは皆無です。
「東山・登龍(のぼりょう)峠」からの「八丈富士&八丈小島」の眺望✧
中西部「八重根港」付近から見る「八丈富士」は、いまひとつ不恰好です(^^;;;;;
「八重根港」付近には「八丈国際観光ホテル」さんの廃墟もあります(><;)
学生時代には雲の上の存在の高級なホテルで大盛況だった記憶があります・・・
このすぐ近くに↓↓の「メットウ井戸」があります^^
「八丈富士」山麓の数少ない湧水「メットウ井戸」現在は使用されていません
「メットウ井戸」横から
「メットウ井戸」の内部
中東部・底土港付近からの眺望 荒涼とした植生ですがやっぱり勇壮です✧
このように、観光客には絶対的な人気を誇る、まるで富士山のような「西山・八丈富士」の
美しい容姿とは真逆の、不恰好な「東山」ですが・・・この山々こそ、八丈島に無くてはならない
貴重な存在なのです。
* 撮影日; 2014年10月7~8・11月12~14日 *
次回も続きます。
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